ラスクおやじの本

ラスクおやじの本

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はじめまして

やあ、元気かな?
わたしの名前はラスクおやじ。
お菓子をつくることが大好きで、
毎日いろんなラスクをつくって、
たくさんの人に食べてもらうのがわたしの仕事なんだ。

ラスクは、粉とバターと砂糖に愛情を混ぜて
つくりあげる小さな「よろこび」。
そのよろこびを、楽しみに待ってくれている人たちに届ける
実にすてきな仕事なんだ。
わたしがいつも大切に思っていること、
これから聞いてもらえるかな?

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1 おかしへのこだわり

おいしいラスクをつくるのにまず大事なことは、
安全で質のよい材料選びから。
口の中で広がるラスクの豊かな風味には
新鮮なバターが欠かせないんだ。
サクサクとした食感を出すため、
小麦粉も、いくつかの種類を組み合わせているんだよ。
どの材料をつかったらとびきりのラスクになるか、
いつもこだわりを忘れないで作っていきたいね。

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2 ピカピカの工場で

そして何より大切なのは、安心して食べられること。
ラスクの中に変なものが入ったりしないよう、
工場はいつも清潔にしておかないといけないんだ。
整理、せいとんをこころがけ、毎日ていねいにそうじをして
ピカピカの工場でつくるのさ。
つくっている人たちには、いつもこのことを守ってほしいんだ。

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3 まずはバットをふることから

どんなラスクがみんなに気に入ってもらえるだろう?
いつもそんなことを考えているよ。
今まで、いろんな味のラスクを作ってきたなぁ。
でも、お店に並んでいるのはその中のほんのひとにぎり。
ラスクパンができるまでは、ずいぶん悩んで時間がかかったよ。
失敗もたくさんして、「もうだめだ」って思ったこともあったさ。

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でも、わたしはくじけそうになったとき、
大好きな野球のことを思い出すんだ。
大事なのは、バッターボックスに立ったら、
とにかくバットを振ってみることだよ。
「できない」って言って、ただ考えてるより、
からだを動かしてみるのさ。
結果が空振りでも、次のチャレンジに生かせるからね。
バットを振ってみなきゃ何もはじまらない、そうだろう?

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4 忙しいときほど大切にしたいこと

毎日毎日、たくさんのラスクをつくっていると、
忙しくて目先のことに追われてしまう日もあるよ。
そんなときは、お客さんがラスクを食べて
「おいしい!」とよろこぶ笑顔を想像してごらん。
忙しさを理由に納得できないものをつくったら、
お客さんはきっとがっかりしてしまうだろう。
お客さんが出あうのは、たくさんの中のたった一枚なんだ。
だからどんなときも、一枚一枚、心をこめてつくっていこうよ。

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5 心をこめた贈り物だから

時には大切な人へのお礼だったり、
自分への小さなごほうびだったり。
おいしく焼き上がったラスクは、
わたしたちからお客さんへ、心をこめた贈り物でもあるんだ。
四季折々の季節感を生かしたパッケージやきれいな色の箱、
かわいらしいリボンのラッピング… 。
贈り物を受けとった人をどうやってよろこばせるか
一生懸命考えるのは、とても楽しいこと。
わくわくしながら、いろんなアイデアで
お客さんをとびっきりの笑顔にしようよ。

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6 「ありがとう」は一番すてきな言葉

お菓子屋さんは、子どもからお年寄りまで
たくさんの人が来るところ。
お菓子を受けとったときは、だれもがニコニコ顔になるのさ。
その笑顔が、わたしたちを何より元気づけてくれるんだ。
だから、お客さん一人一人に、
心をこめて「ありがとう」と伝えようよ。
「ありがとう」は、人と人をつなぐ一番すてきな言葉。
言われたお客さんはもちろん、
言った自分も幸せになれる言葉だから、
どんなときも忘れないでほしいな。

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7 「三方よし」という言葉

「三方よし」という言葉を知ってるかい?
売り手も満足、買い手も満足、そして社会にも役立つって意味だよ。
いちばん身近な社会といえば、やはり地域だよね。
お菓子屋さんは、地域の人たちに愛されるお店でなくっちゃな。
お菓子の仕事を通して、地域に、
そして社会に対してどんなふうに役立っていけるのか、
いっしょに考えていこうよ。

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8 まず、自分が楽しむこと

今まで、いろんなことを言ってきたけど、
まずは、自分が仕事を楽しむことだね。
つくる人、売る人がつまらない顔をしていたら、
おいしいお菓子はつくれないし、おいしさも伝わらないからさ。
おいしいものを食べたり、
うつくしいものを見たり聞いたり、感じたりすることが、
かならず、毎日の仕事にもプラスになるものだよ。

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9 会社は大きな家族

会社は、いろんな人がいっしょに仕事をする場所。
わたしはここで働く仲間を、大きな家族みたいに思ってるんだ。
みんなに望むのは、
自分のことだけやって終わり、じゃなくて、
ちょっとずつでも、お互いのことを思いやること。
そうすれば、いろんなことが気持ちよく進むだろう。
いいところを寄せ集め、
足りないところはおぎないあって、
和気あいあいとやっていきたいね。

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10 大きな樹のように

樹が年輪を重ねるように、
会社も一日一日、一年一年を積み重ねて育っていくもの。
急に大きくなるよりも、
じっくりと、しっかりと年輪を重ねながら、
次の世代へ、そのまた次の世代へとうけついでいきたいね。
わたしは、社員と社員の家族を幸せにすることを一番に考えて、
これからもがんばっていくよ。

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ここまでつきあってくれて、どうもありがとう。
ラスクおやじの話は、これでおしまい。
仕事を通して、自分たちの人間性を高め、
地域や社会に貢献していけたらすばらしいね。
樹を大切に育てるように、
お菓子をつくる仕事ができる幸せを
日々かみしめながら、みんなで成長していこうよ。

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