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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。
第80回では、思春期の少女が、成長とともに揺れる心と体、家族や友人との関係に向き合いながら、自分らしい生き方を探していく青春映画を紹介します。
アメリカで絶大な人気を誇るヤングアダルト文学作家、ジュディ・ブルームの代表作を見事に映画化した傑作です。
○神さま聞いてる?これが私の生きる道?!(2023年製作)
スタッフ・キャスト
監督:ケリー・フレモン
マーガレット役:アビー・ライダー・フォートソン
バーバラ役:レイチェル・マクアダムス
ハーブ役:ベニー・サフディ
シルヴィア役:キャシー・ベイツ
~あらすじ~
ニューヨークで暮らす11歳の少女マーガレットは、父親の仕事の都合でニュージャージーへ引っ越すことに。彼女はそこで出会った友人たちとともに、恋や生理などについて話す秘密の女子会を結成。その一方で、ユダヤ教徒の父とキリスト教徒の母の間に生まれた彼女は、自身の信仰する宗教についても考えるようになっていく。
引用:映画.com(https://eiga.com/movie/99396/vods/)
◆見どころポイント◆
①思春期の「言葉にできない気持ち」をそのまま描く誠実さ
この映画のいちばんの魅力は、思春期特有の「うまく説明できない感情」を、無理に整理せず、そのままの形で描いているところです。
マーガレットは、大人から見れば些細に思えることで悩み、期待し、落ち込んでいきます。
でも本人にとっては、それが世界のすべて。身体の変化、友だちとの距離感、周囲と自分を比べてしまう不安。そうした感情が、決して誇張されることなく、淡々と、でも丁寧に積み重ねられていきます。
特徴的なのは、「正解」を用意しない描き方です。誰かが明確な答えを教えてくれるわけでも、劇的な出来事がすべてを解決するわけでもありません。
マーガレット自身が迷いながら、少しずつ感じ方を変えていく。
そのプロセスがとてもリアルで、観ている側は「自分もこうだったかもしれない」と自然に記憶を重ねていきます。
思春期を経験したすべての人にとって、この映画は懐かしさと同時に、当時の自分を肯定してくれるような存在になります。
大人になった今だからこそ、「あの頃の悩みは無駄じゃなかった」と静かに思える。
そんな余韻を残してくれる点が、この作品を特別なものにしています。
②「神さま」との対話が生む、優しくてユーモラスな視点
タイトルにもある通り、本作ではマーガレットが神さまに語りかける場面が何度も登場します。
ただし、それは宗教映画のような重たいものではありません。むしろ、誰にも言えない本音をこぼすための、心の居場所として描かれています。
マーガレットの祈りは、とても率直で、ときに少し可笑しさもあります。
「こうなりたい」「どうしたらいいの?」という問いかけは、特別な言葉ではなく、日常の延長線上にあるもの。その自然さが、観る人の心をほどいてくれます。
信仰の有無に関わらず、「誰かに聞いてほしい」「自分の気持ちを整理したい」という経験は、多くの人に共通するものだからです。
また、この“神さまとの会話”は、マーガレット自身が自分の内面と向き合うための装置として機能しています。
祈ることで、彼女は自分が何に不安を感じ、何を望んでいるのかを少しずつ言葉にしていきます。その過程が、とても優しく、押しつけがましくないのです。
深刻になりすぎず、でも軽く流さない。この絶妙なバランスがあるからこそ、観る側も肩の力を抜いて、マーガレットの成長を見守ることができます。
「神さま」という存在を、こんなふうに身近に感じさせてくれる映画は、実にとても貴重です。
③静かに心に残る家族と友だちの描写
マーガレットの周囲にいる大人や友だちの描かれ方も、この映画の大きな魅力です。
親は完璧な存在として描かれませんし、友だちも常に優しいわけではありません。それぞれが不完全で、それぞれに事情を抱えています。
特に印象的なのは、親世代もまた迷いながら生きている姿が描かれている点です。
子どもを思う気持ちは確かにあるけれど、どう接するのが正しいのか分からない。その戸惑いが、言葉や態度の端々から伝わってきます。
だからこそ、親と子のすれ違いも一方的なものではなく、どこか切実で、共感できるものとして映ります。
友だち関係も同様です。仲良くなりたい気持ちと、比べてしまう気持ち。安心したいのに、傷つくこともある。
そうした揺れ動く関係性が、とても自然に描かれています。
誰かが「悪者」になることはなく、ただ年齢相応の未熟さがあるだけ。その視点が、この映画全体に温かさを与えています。
観終わったあと、「あの人はどうしてああだったんだろう」と、登場人物一人ひとりの背景を想像したくなる。そんな余白が残るのも、この作品ならではの魅力です。
まとめ
『神さま聞いてる?これが私の生きる道?!』は、思春期の不安や期待を、決めつけることなく、そっとすくい上げる映画です。
大きな事件は起きなくても、心の中では確かに何かが動いている。その変化を丁寧に見つめることで、「自分らしく生きること」に少しだけ近づける気がします。
成長の途中にいる人にも、かつてその途中にいた人にも、静かに寄り添ってくれる一本です。
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を







