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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。
第79回では、ドイツ中のサッカーチームを実際に見て“推しチーム”を決めようとする自閉症の息子と、彼を支える父の実話を基にしたロードムービーを紹介します。
自閉スペクトラム症の少年と、彼を深く愛しながらも戸惑う父親。サッカー観戦という小さな約束をきっかけに、親子が少しずつ心を通わせていく感動作。
○ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作)
スタッフ・キャスト
監督:マルク・ローテムント
ミルコ役:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ
ジェイソン役:セシリオ・アンドレセン
~あらすじ~
特別な感性を持ち、幼いころから自閉症と診断されていた10歳のジェイソン(セシリオ・アンドレセン)は、生活に独自のルーティンとルールがあり、それらが守られないとパニックを起こしてしまう。ある日、ジェイソンはクラスメイトから好きなサッカーチームを尋ねられるが、答えることができなかった。彼は家族の前で56チーム全部を自分の目で見て好きなチームを決めたいと言い出す。こうして、パパ(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とドイツ中のスタジアムを巡る週末の旅が始まる。強いこだわりを持つジェイソンは、応援するチームを見つけることができるのか?
引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv87315/)
◆見どころポイント◆
①「わかってあげたい」と願う父親の、不器用で切実なまなざし
この映画の大きな魅力は、父ミルコの姿がとても現実的に描かれている点です。
彼は完璧な父親ではありません。
息子を愛しているのに、どう接すればいいのかわからず、つい感情的になったり、無理をさせてしまったりもします。
それでも「息子の世界を知りたい」「同じ時間を共有したい」という思いだけは、決して揺らぎません。
多くの作品では、親は理解者として描かれがちですが、本作はその手前の葛藤を丁寧にすくい取ります。
理解できないことに戸惑い、失敗し、反省し、それでも前に進もうとする。
その姿は、子育てに限らず、大切な誰かと向き合った経験のある人なら共感せずにはいられません。
ミルコの不器用さは、弱さであると同時に誠実さでもあります。
観ているうちに、「正解じゃなくても、向き合おうとすること自体が愛なのかもしれない」と、静かに胸に残るはずです。
②ジェイソンの「世界の見え方」を、観客も体感できる演出
本作は、自閉スペクトラム症の少年ジェイソンの視点を、決して説明的にならずに伝えてくれます。
大きな音、人混み、予想外の出来事。私たちにとっては日常の一部でも、彼にとっては強い不安や恐怖を伴うものです。
映画では、音やカメラワーク、間の取り方によって、ジェイソンが感じる緊張や混乱が自然に伝わってきます。
「なぜ彼が立ち止まるのか」「なぜ怒りやパニックに見える反応をするのか」を、頭で理解するのではなく、感覚として受け取れるのが印象的です。
同時に、ジェイソンが持つ集中力や誠実さ、好きなものへの純粋な情熱も丁寧に描かれます。
彼は「できない子」ではなく、「違うルールで世界を生きている子」。
そのことに気づいたとき、映画の見え方が大きく変わり、ジェイソンの一挙一動が愛おしく感じられてきます。
③「特別な奇跡」ではなく、「小さな前進」を描く優しさ
本作が心に残る理由は、ドラマチックな奇跡に頼らないところにあります。
物語の中心にあるのは、サッカー観戦というごくささやかな目標。それでもジェイソンにとっては、大きな挑戦であり、父にとっても覚悟のいる一歩です。
映画は、「すべてがうまくいく」未来を簡単には提示しません。
むしろ、うまくいかない瞬間や、後戻りしてしまう場面を正直に描きます。
それでも、ほんの少し前に進めたこと、昨日よりわずかに理解し合えたことを、何よりも大切にしています。
この姿勢が、観る人の心を優しくほどいてくれます。
誰かと完全に分かり合えなくてもいい。大きな変化がなくてもいい。
大切なのは、同じ時間を過ごそうとすること。そのメッセージは、親子関係に限らず、人と人との関係全般に静かに響いてきます。
まとめ
『ぼくとパパ、約束の週末』は、特別な知識や経験がなくても、誰もが自分の感情を重ねられる映画です。
理解することの難しさと、それでも寄り添おうとする気持ち。その間に生まれる小さな温度差や、確かなぬくもりを、押しつけがましくなく描いています。
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を







