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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
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第75回では、SNS時代の承認欲求と孤独が交差する、鋭くも軽やかなサスペンスを紹介します。
SNSで注目されない日常を送る大学生スージーが、ある失踪事件をきっかけに彼女の人生は思いがけず“注目”を集め始める。
予想ができない展開が何度も訪れ、万人楽しめる作品です。
○#スージー・サーチ(2022年製作)
スタッフ・キャスト
監督:ソフィー・カーグマン
スージー役:カーシー・クレモンズ
ジェシー役:アレックス・ウルフ
~あらすじ~
ポッドキャストで配信を続けながらも、なかなかフォロワーの増えない不器用な大学生のスージー(カーシー・クレモンズ)。そんなある日、インフルエンサーとして絶大な人気を誇る同級生ジェシー(アレックス・ウルフ)が、突如失踪する事件が起きる。スージーは、事件の謎に迫った内容を配信する中で、失踪したジェシーを発見。世間から大きな注目を集める存在となっていく。スター街道をひた走るスージーは、さらに事件の真相を探ろうとするが、事態は思わぬ方向へ……。
引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv85948/)
◆見どころポイント◆
①SNS時代の孤独と承認欲求を、サスペンスとして“体感”
『#スージー・サーチ』の大きな魅力は、SNS時代の若者が抱える孤独や承認欲求を、説教臭く語らず、失踪事件というサスペンスの形に落とし込んでいる点にあります。
SNSで「いいね」や反応が得られないと、自分の存在そのものが透明になったように感じてしまう感覚。
本作は、その感覚をスージーの行動や心の揺れを通して、静かに、でも確実に伝えてきます。
同様のテーマを扱った作品は近年増えていますが、本作がユニークなのは、「自分を見てほしい」という欲求が、事件を追う原動力になっていくところです。
正義感だけでも、好奇心だけでもない。
誰にも注目されない人生から抜け出したいという思いが、行動の奥に透けて見える。
その曖昧さが、スージーという人物をとても現代的にしています。
SNS上の数字や反応は、決して物理的な暴力ではありません。
それでも、反応が返ってこないことが、人を追い詰めることがある。
本作はその「静かな痛み」を、事件の緊張感と並走させながら描いていきます。
観ている側もまた、スージーと一緒に「誰かに見られていること」の甘さと怖さを体感することになるはずです。
②主人公スージーの“厚み”
スージーというキャラクターの描かれ方も、本作を印象的なものにしています。
彼女は単なる「地味な主人公」ではありません。
笑っているつもりがなくても、なぜか「なんで笑ってる?」と勘違いされてしまう顔。
知識が豊富だからこそ、煙たがられたり、白い目で見られたりする。
コミュニケーションが苦手で、友達がほとんどいない現実。
さらに、病気の母親を介護しているという家庭環境も、彼女の孤立感を強めています。
これらの設定は、同情を誘うための装飾ではありません。
スージー自身も、自分が「生きづらい側」にいることを自覚しつつ、それをどう扱えばいいのかわからない。その不器用さが、言動の端々ににじみ出ています。
だからこそ、彼女が事件に関わっていく過程は、どこか危うく、同時に切実です。
正しいことをしているのか、自分でも確信が持てない。でも、何もしないまま日常に埋もれていくよりはましだと思ってしまう。
その感情は、決して特別なものではなく、多くの人が心のどこかに覚えのあるものではないでしょうか。
スージーは完璧でも、英雄的でもありません。その未完成さ、ズレた視点、時に自分本位なところまで含めて描かれているからこそ、物語はリアルな重みを持ちます。
彼女の存在そのものが、この映画の説得力になっています。
③早めに“明かされる”からこそ生まれる、後半の面白さと爽快感
本作は、一般的なサスペンスと比べると、ある種のネタバレが思いのほか早く訪れます。
これは、少し意外に感じるポイントかもしれません。
ただ、そのネタ自体は極端に大きなものではなく、むしろ「この物語は、そこから何を描くのか」に重心が置かれている印象です。
ネタが明かされた後も、物語は終わりません。むしろそこから、スージーの立場や周囲との関係、SNS上での評価が微妙に変化し、別の緊張感が生まれていきます。
事件そのものよりも、「注目されること」「語られること」が人をどう変えていくのか。その過程が丁寧に描かれていくのです。
ストーリーが少し発散しているように感じられる部分もありますが、それも含めて本作らしさと言えます。
現実のSNS空間や人間関係も、決して一本の線では整理できません。
話題が飛び、関心が移ろい、評価が一夜で変わる。その雑多さを抱えたまま進んでいく語り口が、逆にリアルに響きます。
そして気持ちいいまでに見事なラスト。詳細には触れませんが、空虚感と皮肉にノックアウトされるような感覚を味わえます。
まとめ
『#スージー・サーチ』は、SNS時代の孤独や承認欲求を、失踪事件という形で映し出した、今らしいサスペンスです。
地味で不器用な主人公スージーの視点を通して、「見られること」の甘さと危うさをスリリングに体験させてくれます。
テーマは重くても、語り口は軽やかで、観後感も爽快。
今の空気を感じたい人にこそ、手に取ってほしい一本です。
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を







