~リトル・ミス・サンシャイン~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.67

~リトル・ミス・サンシャイン~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.67

皆さん、こんにちは!
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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。

映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。



第67回では、ブラックな笑いをちりばめながら家族の絆の再生を描き、世界中から愛され続けているロードムービーを紹介します。

第79回アカデミー賞では、脚本賞と助演男優賞を受賞し、作品賞と助演女優賞にノミネートされています。

本ブログの第58回で紹介した『ルビー・スパークス』の監督デイトン&ファリス コンビの長編デビュー作です。


○リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作)



スタッフ・キャスト

監督:ジョナサン・デイトン / ヴァレリー・ファリス


リチャード役:グレッグ・キニア
シェリル役:トニ・コレット
フランク役:スティーヴ・カレルドウェーン
ドウェイン役:ポール・ダノ
オリーヴ役:アビゲイル・ブレスリン
エドウィン役:アラン・アーキン

~あらすじ~
美少女コンテスト優勝を夢見るオリーヴに、決勝大会出場の知らせが届く。彼女と両親、家族嫌いで無口の兄、自殺願望のある伯父、薬物中毒の祖父の6人家族は、険悪なムードのままミニバスに乗りこみ、会場へと向かう。

引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv35523/)



◆見どころポイント◆


①不器用な人たちが愛おしくなる演技アンサンブル

 この映画の魅力の核は、家族それぞれの「うまくいかなさ」を、そのまま愛おしく思わせてくれる点にあります。

 勝ち組思考を振りかざす父リチャード、支えることで精一杯の母シェリル、沈黙の誓いを立てる兄ドウェイン、人生につまずいた叔父フランク、破天荒だけど孫思いの祖父エドウィン、そして究極の普通さが輝くオリーヴ。

 誰もが完璧からほど遠いのに、家族として関わり合ううちに“ちょうどよい不完全さ”がかみ合っていく。

 俳優陣の演技は、笑いも涙も過剰にせず、じわっと胸に届きます。
 アビゲイル・ブレスリンの無邪気さは、困り顔の大人たちをやさしくほどき、スティーヴ・カレルの静かな痛み、ポール・ダノの鬱屈、グレッグ・キニアとトニ・コレットの焦りと献身、アラン・アーキンの破天荒な温もりまでが、ひとつの呼吸でつながる。

 特に車内の会話や食卓のシーンは、台詞の間合いと視線のやり取りが絶妙で、観客はいつのまにか“隣に座っている家族の一員”になります。

 欠点は欠点のまま、でも一緒にいると前に進める。この等身大の励ましが、見終えたあと長く心に残ります。


②笑いと切なさの両輪をなした、軽やかなロードムービー演出

 物語を運ぶのは、黄色いワーゲンバス。
 エンジンのくせ、ドアの音、押しがけの儀式まで、すべてが“家族の呼吸”に変わっていきます。

 移動のたびに起きる小さなトラブルは、スラップスティックな可笑しさを生みつつ、登場人物の本音を自然に引き出す仕掛け。
 笑っているうちに、ふとした一言が胸に刺さったりしています。

 音楽はデヴォチカとマイケル・ダナの柔らかな旋律が中心で、広がる風景と胸のうちの複雑な感情を穏やかにつないでくれます。

 砂色の風景とカラフルさの対比も効いていて、乾いた道路を走る車内でだけ、少し色が濃く温かく感じられるのが印象的です。

 監督のジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスは、キャラクターの“居心地の悪さ”を笑いに変え、同時に傷を否定せずに抱きしめる距離感を最後まで崩しません。

 旅の道程が、そのまま気持ちの解凍プロセスになる。
 目的地に着くこと自体より、「一緒に進む」ことの尊さが、自然と体に染み込む演出です。


③勝ち負けの物差しをやさしく疑う、やわらかな反逆の物語

 タイトルにある「ミス・サンシャイン」は、明るさや可愛らしさを競うコンテストの象徴です。
 そこで求められる“正しい笑顔”や“完璧な見栄え”は、社会が人に押し当てがちな物差しそのもの。

 映画は、その窮屈さを声高に糾弾しません。
 出場者オリーヴと家族の視点から、可笑しくて少し苦い現実を見せながら、「それでも私たちは私たちでいい」と、小さくも確かな反逆を積み重ねます。

 オリーヴが不安に揺れ、家族が迷いながらも寄り添う姿は、“勝つ”ことを諦めるのではなく、“自分で選ぶ”ことを大切にする態度の宣言。

 コンテスト会場の空気感や、舞台裏の慌ただしさ、ステージに上がるまでの鼓動が、観る側の胸にそのまま伝わり、いつのまにか応援している自分に気づきます。

 美の基準や成功の定義に違和感を抱えた人ほど、この優しい反骨に救われるはず。
 映画が終わったあと、鏡の前の自分や、隣にいる家族を見る目が少しやわらかくなるーそんな後味を残すのが、この作品の大きな力です。



まとめ

 『リトル・ミス・サンシャイン』は、派手な奇跡を起こす映画ではありません。
 エンジンのかかりにくい車を、みんなで押して走り出すように、日々の重さに笑いを混ぜて前へ進むための力を静かに手渡してくれます。
 不器用さを笑い飛ばし、痛みをなかったことにしない優しさ、そして“自分たちの物差しで選ぶ”という小さな勇気。
 どれも大げさではないのに、気づけば体の芯が温まっている。
 そんな実感が、きっとあなたの明日を少し軽くしてくれます。

 それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を

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