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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。
第63回では、7歳のチェスの天才少年と、その才能を信じて心血を注いで育てた父親の姿を描いたドラマ映画を紹介します。
スポーツ・ライターのフレッド・ウェイツキンが実子ジョシュの少年期を描いたノンフィクションが原作。
○ボビー・フィッシャーを探して(1993年製作)
スタッフ・キャスト
監督:スティーヴン・ザイリアン
ジョシュ役:マックス・ポメランツ
フレッド役:ジョー・マンテーニャ
ヴィニー役:ローレンス・フィッシュバーン
ブルース役:ベン・キングスレー
~あらすじ~
7歳のジョシュ(マックス・ポメランツ)は、チェスにかけては天才的な才能を持っていた。公園のストリートチェスの名手ヴィニー(ローレンス・フィッシュバーン)も、少年の特異な才能に目を見張る。父親のフレッド(ジョー・モンテーニャ)は、息子の才能に驚き、70年代にアメリカ人で初めての世界チャンピオンとなった天才プレーヤー、ボビー・フィッシャーに匹敵するものと信じる。フレッドは、ジョシュに本格的なチェスの教育を受けさせようと往年のチャンピオン、ブルース(ベン・キングスレイ)と会う。
引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv10726/)
◆見どころポイント◆
①勝つことと、優しさを守ることの両立が物語の芯
この映画の一番の魅力は、競争に勝つことの価値を否定せず、同時に「勝つために失ってはいけないもの」をしっかり見つめる視点にあります。
ジョシュは間違いなく天才ですが、彼が天才「であること」よりも、天才「としてどう生きるか」をていねいに描くことで、物語が厚みを増します。
大会での緊張やプレッシャー、レーティングやランキングといった数字が子どもの日常に入り込んでくる怖さ。その一方で、公園でのびのびチェスを指す楽しさや、相手を敬う気持ちがジョシュの心を支えます。
親やコーチが善意から彼を引っ張り上げようとするほど、ジョシュ自身のペースとのズレが生まれますが、映画はどちらかを悪者にせず、価値観のぶつかり合いを静かに見せます。
チェスがわからなくても、習い事や受験、スポーツなど、誰もが一度は向き合うテーマに自然につながるのが、この作品の大きな魅力です。
②俳優陣と演出が生む繊細な温度差
出演陣の説得力が、物語をぐっと引き上げています。
ストリートチェスの世界へ誘うヴィニー役のローレンス・フィッシュバーンは、勝負の厳しさを知りながらも楽しさを忘れない大人の余裕を体現。
規律と戦略を教える名コーチ、ブルース役のベン・キングズレーは、静かな眼差しの中にプロの矜持と葛藤を宿します。
父親役のジョー・マンテーニャと母親役のジョーン・アレンは、子どもへの愛情と不安を現実的に表現し、家庭内の空気の揺らぎがそのまま胸に伝わります。
監督は本作が初監督作であったスティーヴン・ザイリアン。のちに『シンドラーのリスト』や『マネーボール』、『アイリッシュマン』などの脚本を手掛ける名脚本家でもある彼が脚本も担当。
言葉少なめの演出で、視線や沈黙に意味を持たせる巧さが光ります。
撮影は『俺たちに明日は無い』や『アメリカン・ビューティー』で知られる名匠コンラッド・L・ホール。
光の差し込み方や盤面のクローズアップが、勝負の緊張と子どもらしさの柔らかさを同時に映し出します。
ジェームズ・ホーナーの音楽は感情を煽りすぎず、シーンの余韻を静かに広げます。
③チェス映画であり、誰にとっても響く成長譚
チェスの運びは本格的ではありますが、駒の進行や局面の意味がわからなくても緊張や駆け引きが十分に伝わります。
対局の見せ方は派手すぎず、指先や視線、時間の使い方がドラマを生んでおり、競技のリアリティが崩れません。
原作はジョシュの父フレッド・ウェイツキンのノンフィクション。
現実の経験がベースにあるからこそ、勝負の喜びと痛みがごまかしなく描かれます。
同時に、映画は「才能とは何か」「子どもの主体性をどう守るか」「親や指導者はどこまで介入すべきか」という普遍的な問いを、押しつけがましくなく提示します。
ジョシュが相手を敬い、勝負の合間に笑顔を見せる瞬間は、勝敗を越えた価値があることをやさしく教えてくれます。
チェス好きはもちろん、子どもの習い事や教育に悩む親、競技や受験のプレッシャーを知る人にも、等身大の支えになる映画です。
終盤に向けて選び取られていく態度や言葉が、観客それぞれの「こうありたい」という気持ちをそっと後押しします。
まとめ
『ボビー・フィッシャーを探して』は、天才少年の躍進を描くだけの映画ではありません。
勝負の価値を認めたうえで、子どもが子どもらしくいられること、相手を敬うこと、家族が支え合うことの重さを、チェスの静かな緊張の中にやさしく描いていきます。
俳優陣と演出の精度が、競争の厳しさと人の温かさを同時に感じさせ、見終えた後は「強さ」と「優しさ」を両手で持ちたいと思わせてくれます。
チェスに詳しくなくても、人生の選び方を考えたくなる一本です。
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を







