~アマンダと僕~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.62

~アマンダと僕~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.62

皆さん、こんにちは!
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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。

映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。



第62回では、突然の事故で姉を亡くした青年が身寄りのない姪の世話を引き受けることになる様を描くヒューマンドラマを紹介します。

大きな悲しみの中でも懸命に生きるふたりの物語に心から感動できる作品。

第31回東京国際映画祭で東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞しました。


○アマンダと僕(2018年製作)



スタッフ・キャスト

監督:ミカエル・アース


ダヴィッド役:ヴァンサン・ラコスト
アマンダ役:イゾール・ミュルトリエ

~あらすじ~
夏の日差し溢れるパリ。便利屋業として働く青年ダヴィッド(ヴァンサン・ラコスト)は、美しい女性レナ(ステイシー・マーティン)と出会い、恋に落ちる。穏やかで幸せな生活を送っていたある日、突然の悲劇でダヴィッドの姉が死亡。悲しみに暮れるダヴィッドは、独りぼっちになってしまった姉の娘アマンダ(イゾール・ミュルトリエ)の世話を引き受けることに……。親代わりとして接しようとするが、まだ若いダヴィッドには荷が重く、戸惑いを隠せない。アマンダも、母親を失ったことをなかなか受け入れられずにいた。互いに不器用で、その姿は見ていてもどかしく、しかし愛おしい。必死に逞しく生きようとするアマンダ。彼女と共に過ごすことで、次第に自分を取り戻していくダヴィッド。悲しみを抱えながらも、2人の間には少しずつ絆が芽生え始めるが……。

引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv66604/)



◆見どころポイント◆


①静けさが心を揺らす繊細な感情描写

 静けさの中に感情が満ちていく描写が、とても丁寧です。

 大きな演出で涙を誘うのではなく、息づかいや視線、部屋の空気や街の音といったささやかな気配で、登場人物の心が少しずつ解けていきます。

 この物語は大きな、大きな悲しみから幕を開けます。

 喪失を扱う映画は重くなりがちですが、この作品は「重さ」を押し付けません。
 二人が食事を作る、散歩をする、夜の不安に寄り添うーそんな繰り返される日常の場面に、再生のきっかけを見つけていくプロセスが美しく、観ている自分の呼吸まで整っていくようです。

 感情の起伏を誇張せず、余白に委ねるからこそ、ふいに訪れる笑顔や抱擁がとびきり大きく響きます。
 静かでありながら、確かな力で心を動かす映画体験です。


②不器用な二人が育てる信頼と優しさ

 ダヴィッドとアマンダの関係が、無理なく自然に育っていく過程が愛おしいです。

 最初は距離があり、何が正解かわからない不器用さが漂います。
 でも、上手に世話を焼こうとするより、相手の気持ちに耳を澄ますことを選ぶ姿勢が少しずつ信頼を生みます。

 言葉で足りないときは、手をつないで歩く、髪をとかす、寝る前に小さな話をするーそんな触れ方がふたりの心の温度を上げていきます。

 子どものまっすぐな反応と、若い大人の戸惑いがぶつかり、すれ違いも起きますが、そこで立ち止まって考えることがふたりの学びになっていきます。

 優しさとは何か、責任とは何かを声高に語らず、ゆっくりと信頼が育つ瞬間を見届ける。観終える頃には、ふたりの関係を愛おしいと思う気持ちが自然と湧いてきます。


③「暮らすパリ」を映す生活の視線

 パリの風景が、観光的な華やかさではなく「生活の場」として息づいているのが魅力です。

 並木道や公園、水辺、アパートの中庭、自転車で抜ける細い通りー人の背丈に寄り添う画づくりが、都会のなかの生活館と静けさ、そして温もりを伝えます。

 街はときに不安を呼び覚ます場所にもなりますが、同時に、支える人に出会い、明日へ歩き出す力をくれる場所でもあることが、画面から伝わってきます。
 朝の柔らかな光や夕暮れの陰影、電車の揺れ、木漏れ日と子どもの声ー現実の手触りがある映像が、物語の感情を受け止めてくれます。

 派手なカット割りや音楽に頼らず、視線の高さで撮られたショットが続くため、観客はふたりと同じ速度で街を歩いているような感覚に。
 風景そのものが物語の登場人物になっている点が、本作の心地よさを生んでいます。



まとめ

 『アマンダと僕』は、喪失を題材にしながらも悲しみを描くのではなく、悲しみを胸に人は歩み続けられることを静かに教えてくれる作品です。
 声を荒げずに寄り添う態度、タイミングを待つ勇気、手の届く範囲でできることを丁寧に続ける誠実さーその積み重ねが、ふたりの明日を少しずつ明るくしていく過程が心に残ります。
 華やかな出来事は少ないのに、観終わったあとには確かな充足感があり、身近な人の顔を思い浮かべて「今日は少しやさしくしよう」と思わせてくれる、そんな映画です。

 それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を

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