~ベスト・フレンズ・ウェディング~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.49

~ベスト・フレンズ・ウェディング~ 東京ラスク社員が紹介する おやつの時間におススメな映画 Vol.49

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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。

映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。



第49回では、結婚式直前の数日間、愛と友情の境界が揺らぐ甘酸っぱい恋愛喜劇を紹介します。
往年のラブコメ女王ジュリア・ロバーツの代表作で、魅力的な脚本と彼女の演技が絶妙にマッチしています。

ルパート・エヴェレット演じるジョージが個人的にはお気に入りの、カッコいいキャラクターです。


○ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年製作)



スタッフ・キャスト

監督:P・J・ホーガン


ジュリアン役:ジュリア・ロバーツ
マイケル役:ダーモット・マルロニー
キミー役:キャメロン・ディアス
ジョージ役:ルパート・エヴェレット

~あらすじ~
ニューヨーク。料理記者として活躍するキャリアウーマンのジュリアン(ジュリア・ロバーツ)は、大学時代の恋人で今は親友のマイケル(ダーモット・マルロニー)から結婚の報せを受けて大ショック。相手はシカゴの富豪令嬢で20歳の大学生キミー(キャメロン・ディアス)。今も残る彼への思いに気づいたジュリアンは、何としてもこの結婚を阻止せねばと鼻息も荒く、彼の滞在先のシカゴに乗り込む。だが、人懐っこい笑顔を浮かべたキミーにいきなり花嫁の付添いになってほしいと頼まれ、出鼻をくじかれる。

引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv30113/)



◆見どころポイント◆


①ジュリア・ロバーツの“愛すべき悪女”像が鮮烈。魅力とズルさのリアルなバランス

 一番の魅力は、ジュリア・ロバーツが演じる主人公ジュリアンの“矛盾”が抜群に面白い点です。

 彼女は有能でウィットに富み、自信もある人物ですが、親友への複雑な感情に押されて時にズルく、計算高く、そして不器用に行動します。

 ロマンティック・コメディの定番をなぞりながら、主人公が必ずしも清らかなヒロインではないという大胆さが作品の核で、観客は「やめておけ」と思いながらも彼女の衝動を理解してしまう共犯的な面白さに引き込まれます。

 ジュリア・ロバーツは笑顔の華やかさだけでなく、嫉妬や焦り、勝算のない賭けに出るときの微細な表情変化で“人間の揺らぎ”を表現しています。

 さらに、ルパート・エヴェレットが演じる親友ジョージの知的で洒脱な存在感が、ジュリアンの暴走に絶妙なブレーキとアクセルを同時に与えるのも快感。
 二人のテンポの良い会話は、毒とユーモアの配合が見事で、彼のアドバイスが物語の心臓部に脈打つことで、単なる“略奪劇”ではなく、自己認識のドラマへと昇華します。

 善意と打算が同居する人間臭さが、観客の“自分もそうだったかも”を静かに呼び起こし、この物語を一段と身近でスリリングなものにしています。


②耳と目に残る名シーンの連続。ミュージカル的高揚、シカゴの空気感、ウェディング美学

 本作はセリフだけでなく“音と場面”が記憶に刻まれます。

 象徴的なのがレストランでの「I Say a Little Prayer」の大合唱。突発的に始まる小さなショーが場の緊張をほぐし、関係性に新しい空気を流し込む瞬間は、ミュージカル的な高揚とコメディの軽やかさが見事に融合しています。

 カメラはテーブル越しに人々の反応を軽快に拾い、笑顔や戸惑いをリズムに乗せて連鎖させることで、ドラマの推進力を音楽化。
 さらに、カラオケのシーンでは、完璧ではない歌が人をつなぐ力を持つことを可視化し、キャラクターの不器用さが愛しく見えてきます。

 舞台となるシカゴの街並みも重要で、リバー沿いの街路やホテルの宴会場、ブライダルの準備室など、都市の洗練と生活の雑味が混ざるロケーションが、結婚というイベントの華やかさと現実味を同時に映し出します。

 衣装や装花のディテールは、90年代のトレンドを感じさせつつ、今見ても古びない上品さ。

 音楽は軽やかに、しかし感情の起伏に寄り添うように配置され、シーンごとに体温と鼓動を少しずつ上げてくれます。

 結果として、一本のコメディでありながら“記憶に残る演目”の連続で構成される、見ている最中も見終わっても心地よい余韻を残してくれます。


③恋と友情の境界線を問い直す。選ぶ痛み、手放す勇気、そして自分を知る物語

 この映画が心に残るのは、誰を好きかだけでなく、“どう好きか”“どう向き合うか”を問うからです。

 親友の結婚という現実が突きつけるのは、恋の高鳴りと同時に、友情の責任、未来への不安、過去への未練。ジュリアンの行動は時に利己的でありながら、彼女の中で再定義されていく“愛のかたち”は、単純な勝ち負けでは測れません。

 人生の重大イベントほど、人は良い自分でいたいのに、そうできない瞬間が訪れるーその矛盾に誠実であることが、本作の強さです。

 コメディとして笑わせながら、選択の痛みを真正面から見せるバランスが絶妙で、鑑賞後には“自分ならどうするか”が静かに胸に残ります。

 ルパート・エヴェレット演じるジョージの存在は、恋愛中心主義から少し視点をずらし、友情や支え合いの価値を軽やかに引き上げます。彼のユーモアと包容力は、90年代らしい空気をまといながら、今の観客にも鮮烈に響く普遍性を持ちます。

 また、花嫁キミー(キャメロン・ディアス)の真っすぐさや不器用さが対照的に機能し、彼女に感情移入が生まれることで、物語は単なる三角関係を超えて“それぞれの成長譚”へと展開。

 恋を手にすることだけがゴールではないという視界の広がりが、この作品を繰り返し観たくさせる理由です。



まとめ

 『ベスト・フレンズ・ウェディング』は、笑いの高揚と人間の弱さを同時に抱きしめる素晴らしいロマンティック・コメディです。
 派手な恋の勝負に見えながら、実は“自分を知る”旅として設計されているのが本作の本質。
 結婚というイベントの眩しさの裏で、誰しもが抱える不安や欲望を軽やかに肯定してくれる一本です。
 気まずさも笑いに変えてくれるこの映画は、今見ても心を温め、少しだけ背中を押してくれます。

 それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を

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