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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。
第26回では、のどかなヨークシャーの村で暮らす中高年女性たちが、仲間の病気をきっかけにチャリティのためヌードカレンダー制作に挑むという、実話に基づいたヒューマンドラマを紹介します。
主演はヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズらイギリスを代表する実力派女優陣です。
○カレンダー・ガールズ(2003年製作)
スタッフ・キャスト
監督:ナイジェル・コール
クリス役:ヘレン・ミレン
アニー役:ジュリー・ウォルターズ
ルース役:ペネロープ・ウィルトン
ロッド役:キアラン・ハインズ
~あらすじ~
英国ヨークシャーのとある田舎町。婦人会で活動する主婦クリスは、夫を白血病で失った親友アニーを励ますためヌード・カレンダーの制作を提案。最初は戸惑う会のメンバーだったが、やがてヌードになる決心をする。
引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv33836/)
◆見どころポイント◆
①"普通の女性"たちが見せる勇気と変化
物語の核となるのは、「ごく普通」の女性たちが人生の転機を迎え、それぞれの殻を破っていく過程です。
村の名士でも芸能人でもない、中高年の主婦や教師、花屋など身近な存在の女性たちが、恥ずかしさや葛藤、世間体への不安を抱えながらも、大切な仲間と誰かのためという思いから次第に勇気を奮い立たせていく姿は、観る人に等身大の共感と励ましを与えてくれます。
舞台は英国独特のウィメンズ・インスティテュート(WI)。このクラブ活動は、真面目で堅苦しい伝統的な女性集団という固定観念に縛られがちですが、本作では「自分たちに何ができるのか」を問い直し、戸惑いながらも"普通の人が非日常に飛び込む"勇気を描写します。
服を脱ぐことの意味や、個々の「自主性の目覚め」「仲間意識の深化」、また自らの人生や夫婦関係への再考といった、内面の変化が丁寧に表現されています。誰しもに訪れる人生の転機やチャレンジに気づきを与えてくれる点が最大の魅力です。
②ユーモアと温もりに満ちたイギリス流人間ドラマ
『カレンダー・ガールズ』のもうひとつの大きな特徴は、英国ユーモアあふれる会話劇と人の温もりに彩られた展開です。
小さな町で巻き起こる騒動や、計画の過程で発生するコミカルなトラブル、不慣れなヌード撮影のドタバタなど、随所に笑いをちりばめる脚本の巧みさが際立っています。登場人物同士の距離感や言葉の"間"には、演劇的で知的なセンスが感じられます。
チャリティ活動が思わぬ注目を集めるにつれ、田舎町の風物詩的日常と世間の熱視線のギャップ、女性同士の連帯感、一人ひとりの個性的な背景が交錯していきます。
陽気さだけでなく、悲しみや葛藤にも向き合う誠実さも本作の持ち味です。とりわけ、友情や家族愛、老い、社会との接点といったモチーフを飾り気なく見せることで、人生の充実やありのままに生きることの価値を再発見させてくれます。
観終わったあとには温かな気持ちになれる、イギリス映画ならではの品格と優しさにあふれています。
③チャーミングな英国女優陣の名演技
本作で特筆すべきは、ヘレン・ミレンを筆頭とする英国を代表する女優陣によるチャーミングな名演技です。
ヘレン・ミレンが演じるクリスは、正義感と好奇心に満ちたパワフルな女性で、カレンダー制作のリーダー的存在。明朗さの陰に傷つきやすさを内包する繊細な表情が、役柄に奥行きを与えています。
対照的に、静かな強さを持つ親友役のジュリー・ウォルターズは、喪失感と再生への歩みを情感たっぷりに演じ、互いを支え合う凸凹なバランスが物語の推進力となっています。
また、ペネロープ・ウィルトン、アネット・クロスビー、シリア・イムリーなど、名バイプレイヤーたちが個々の人生観やユーモアをにじませ、人間らしい魅力を存分に発揮しています。
年齢や体型、悩みが違うキャラクターひとりひとりの個性が際立ち、"人生の主役は誰にも訪れる"ことを鮮やかに証明するアンサンブルです。
ヌードという一大挑戦を通じて、「自信」や「連帯感」が生まれてくるその変化を、名女優たちは繊細かつ温かく体現しています。見ていて勇気が湧き、笑顔になる演技は本作の最大の宝といえるでしょう。
まとめ
『カレンダー・ガールズ』は、イギリスの田舎町という小さな世界から「誰かのために何ができるか」を真摯に問いかけるヒューマンドラマです。女性たちそれぞれの内面の変化と勇気、コミカルで温もりある物語展開、そしてヘレン・ミレンら名女優たちの自然体の熱演が、観る者に元気と希望を与えます。
「人生に遅すぎることはない」「自分も誰かのために行動できるのだ」と気づかせてくれる作品です。ユーモアと感動、そして人生賛歌に満ちた傑作として、幅広い世代におすすめします。
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を