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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。

映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
ぜひ、ラスクとお気に入り映画で心ほどける時間をお過ごしください。

○隣の影（2017年製作）

スタッフ・キャスト

監督：ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン

アトリ役：ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン
インガ役： エッダ・ビヨルグヴィンズドッテル
バルドウィン役：シグルヅル・シグルヨンソン

～あらすじ～
閑静な住宅地で暮らす老夫婦は、ある日隣りに住む中年夫婦から、庭にそびえ立つ大きな木がいつも日光浴をしているポーチに影を落としているとクレームを受ける。それをきっかけに両家はいがみ合うようになり、身近で相次ぐ不審な出来事を何の証拠もないにも関わらずすべて相手の嫌がらせと思い込むように。元恋人とのセックス動画が原因で妻から別れを切り出され転がり込んできた老夫婦の息子も、庭のテントで寝泊まりして隣人を監視する手伝いをする。やがて、老夫婦が家族の一員のようにかわいがっていた飼い猫が失踪。1本の木を挟みいがみ合ってきた両家の対立は激化し、危険な一線を踏み越えていく。

引用：MOVIE WALKER PRESS（https://press.moviewalker.jp/mv67937/）

第2回では、些細なことが原因で隣同士の家族がいがみ合う姿を描いたアイスランド発の不条理サスペンスを紹介します。

2017年に制作され、日本では2019年に公開された『隣の影』。第90回アカデミー賞の外国語映画賞アイスランド代表にも選出されました。

◆見どころポイント◆

①アイスランドから放たれるニューウェーブ・不条理サスペンス

　隣家の大きな木が自分の家に影を落としていることを指摘したことから始まる両家のいざこざ。それがどんどんとエスカレートしていき、最終的には取り返しのつかない事態にまで発展していく。

　くだらないコメディに陥りかねないこの突飛な展開を、非常にリアリティのある物語に見せていく演出がまず素晴らしいのです。

　監督・脚本を務めたハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソンは、2012年にバラエティ誌により最も期待される10人のヨーロッパの監督にも選ばれた新星。

　アイスランドの新たな才能が仕掛ける不条理サスペンスに、あなたもハマること間違いなし！

②徹底的にエスカレートする隣人トラブル

　日本でもしばしばニュースになっている隣人トラブルやご近所トラブルは、まさに世界共通のお悩みテーマ。

　はじめはちょっとしたクレームだったのが、どんどんイライラと人間不信を増幅させ、常識はずれな暴走へと突き進んでいく。そんな物語に思わずニヤニヤ笑いがこぼれますが、この映画は単なるブラックコメディではありません。

　この物語に登場する2つの家族は、それぞれに色んな悩みや葛藤を抱えて日々生活をしています。そして、隣に住む家族が人生にどれだけ悩んでいるかを知らないまま、両者はいがみ合いを始めます。
　隣り合わせなのに完全に隔絶されている隣人関係。2つの家族は互いに、人生の不安を八つ当たり的にぶつけ、遂には取り返しのつかない狂気へと突き当たります。

　隣に住んでいる人の顔も知らない、そんなことが当たり前になってきた現代の日本においても、この寓話は決して他人ごとではない "今" なのかもしれません。

③89分のコンパクトなストーリー

　この映画は作品時間が89分と少し短めな作品です。ちょっとした午後の時間や、ひとりのティータイムにもちょうどいいコンパクトさ。

　ただ、89分という短さだからこそ、最初から最後まで緩むことなく、ずっと高い熱量で一気に物語が進んでいきます。

　特に終盤の怒濤の展開には、それまでニヤニヤしながら鑑賞していたあなたも、身も凍るような思いをすることでしょう。

まとめ

　アイスランドは、"幸福度ランキング" や "男女平等指数 "などでも常に上位に名を連ね、国際的にもポジティブに注目されている国です。
　そんなアイスランドでもやっぱりいいことだけではない…　『隣の影』は、社会に潜む狂気や人間の闇に目を向けた鋭くもユニークな映画です。
　そして、この物語は決して遠い国だけで起こるわけではなく、私たちが暮らす日本でも起きているかもしれない、普遍的な"サスペンス"なのです。

それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を