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東京ラスク社員であり大の映画好きな私 Haruが、「おやつのお供に観たい映画」をご紹介していくこのブログ。
映画について語りつつ、ラスクに合う楽しみ方もちょっと添えて。
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第14回では、ニューヨークを舞台に、自分の居場所や夢を探し成長しようとする27歳女性フランシスの等身大の日常を描いた青春ドラマを紹介します。
独特なタイトルの意味がわかるラストも必見です!
○フランシス・ハ(2012年製作)
スタッフ・キャスト
監督:ノア・バームバック
フランシス役:グレタ・ガーウィグ
レフ役:アダム・ドライバー
ソフィー役:ミッキー・サムナー
~あらすじ~
流行の発信地とも言われるニューヨーク市ブルックリンで、モダンダンサーとして大舞台に立つことを夢見ているがなかなか芽が出ない27歳のフランシス(グレタ・ガーウィグ)は、親友のソフィ(ミッキー・サムナー)とルームシェアをしている。お金はないけど楽しく日々を過ごしていた。しかしフランシスは恋人と別れた上に、ソフィが別の場所で他の友人と同居をはじめ、住処をなくす。友人たちの間を転々とする中で、フランシスは周囲が大人らしくなっていることに焦りを覚え、自分の人生について見つめ直していく。
引用:MOVIE WALKER PRESS(https://press.moviewalker.jp/mv75011/)
◆見どころポイント◆
①“未熟さ”と“成長”を鮮やかに描くリアリティ
『フランシス・ハ』最大の魅力は、主人公フランシスの“未熟さ”と、その“成長”をとてもリアルに描いている点です。
彼女は、27歳という年齢ながら経済的にも安定せず、プロとしての自信も得られないまま日々を過ごしています。
親友ソフィーと築いた「ふたりだけの世界」さえも、次第に状況が変わることで離れていくーこうした心の揺れや喪失感、不安、そして新しい人間関係との出会いを通して、彼女は何かにしがみつく子どものような自分と向き合います。
しかし物語は決して悲観的ではなく、失敗や迷いさえ「生きている証」として肯定的に淡々と映し出します。決して特別な才能や劇的な成功で人生が変わるのではなく、不器用な自分のまま一歩ずつ前進し、今いる場所を肯定していくフランシスの姿に、多くの人が共感し、励まされるのです。
②カメラと演出が生み出す“軽やかさ”と“親密さ”
映画全編をモノクロ映像で撮影することで、どこか現実味と同時に夢のような浮遊感が描かれます。
ノア・バームバック監督特有の、端正でありながら即興的なカメラワークは、登場人物たちの何気ない会話や瞬間を自然体で切り取ります。
特に、フランシスが街を駆け抜けるシーンや、ソフィーと他愛もない話をする場面は、あたかも親しい友人のそばで日常を眺めているような、独特の“親密さ”を感じさせます。
また、軽快な音楽や編集も魅力で、ビートの効いたダンスシーンや街中の躍動感あるショットが、彼女の心情や都市の空気を巧みに表現します。
映画のテンポは“フランシス自身”のリズムで紡がれ、観る人は自然と彼女のペースへと引き込まれていきます。
③主人公フランシスとソフィーの“友情”が抱える複雑さ
この作品において、「フランシスとソフィー」の関係は単なる友情の範疇を超えています。
家族のように一緒にいた彼女たちが、互いの変化や距離感に戸惑いながら、それぞれの人生へと歩み始めていくーこの「一番大事だった友人との関係の変化」は、多くの人が共感する普遍的なテーマです。
結婚や仕事、住む場所の違いが生まれ、かつての距離ではいられなくなる寂しさや、自分だけ取り残されてしまう感覚。それでも相手を想い、再び手を取り合おうとする不器用な絆。この友人関係の“終わらないようでいて、でも確実に形を変え始める”様子が物語の要でもあり、単なるロマンスや家族愛とは違う“成熟過程の友情”の姿が、丁寧かつリアルに描写されています。
友情が「変わること」こそ自然だと受け止めるまでのフランシスの葛藤は、ささやかながら深い印象を残します。
まとめ
『フランシス・ハ』は、人生を焦りながらもがく未熟さや、大切な人との関係が変わっていく寂しさをありのまま描く作品です。
軽やかな映像や音楽とともに、主人公フランシスの等身大の成長や、親密で複雑な友情が、普遍的な共感と希望をもたらします。
現実の小さな躓きさえ肯定してくれる本作は、見る人それぞれの「今」をやさしく照らしてくれる青春映画です。
もう一度言いますが、タイトルの意味がわかるラストは必見です!
それでは、映画とともに 素敵なラスク時間を